損切ラインまで下げてくるのを待たず、この時に決済してればもう少し値幅が取れた。
もう一段上まで上がったのに、利確ラインに達してその手前で利益確定をしてしまった。
それを少しでも解消するため、損切ラインのトレールの様に利確ラインも価格の変動に合わせて、利益方向に逃げるラインにするEAです。
損切のトレールと同じ様に、買いの場合であれば、価格が上昇したら利益確定ラインも上昇します。
同時に、当EAで損切も設定できるので、価格が上昇したら損切ラインも上昇します。
利益確定ラインをトレールして、より多くの利益を狙う「トレーリングリミットEA」
下記チャートをご覧ください。
赤い線が損切ライン、青い線が利確ラインです。
ピンクの▲が売り仕掛け、水色の▲が買い仕掛けとなっています。
御覧の通り、損切ラインのトレールとともに、利確ラインもトレールされる様、ポジションの変更を行うEAとなります。
逃げる利確ライン「Trailing Limit トレーリング・リミット」
上記チャートは、下落の場合も上昇の場合も、ろうそく足がぐっと伸びた地点で利確に達しています。
これは、利確のトレールを2本前の高値や安値を基準に決定しているからです。
例えば、下記のようなレートの場合(上記チャート前半売り部分抜粋)。
# | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 損切 ライン |
利確 ライン |
売仕掛 |
1 | 110.875 | 110.881 | 110.827 | 110.865 | |||
2 | 110.865 | 110.902 | 110.807 | 110.894 | |||
3 | 110.894 | 110.894 | 110.754 | 110.853 | |||
4 | 110.853 | 110.894 | 110.836 | 110.837 | |||
5 | 110.838 | 110.884 | 110.82 | 110.878 | 111.184 | 110.62 | 110.838 |
6 | 110.878 | 110.975 | 110.87 | 110.96 | 111.184 | 110.62 | |
7 | 110.96 | 111.132 | 110.753 | 110.851 | 111.184 | 110.62 | |
8 | 110.851 | 110.956 | 110.794 | 110.89 | 111.184 | 110.62 | |
中略 | |||||||
27 | 110.553 | 110.599 | 110.523 | 110.57 | 110.879 | 110.307 | |
28 | 110.571 | 110.589 | 110.475 | 110.498 | 110.879 | 110.307 | |
29 | 110.498 | 110.535 | 110.392 | 110.414 | 110.835 | 110.307 | |
30 | 110.413 | 110.448 | 110.275 | 110.288 | 110.748 | 110.275 | 利確! |
31 | 110.288 | 110.447 | 110.279 | 110.35 | |||
32 | 110.35 | 110.434 | 110.299 | 110.41 | |||
33 | 110.41 | 110.445 | 110.38 | 110.443 |
損切0.3、利確0.2、シフト2
5行目の始値で売り仕掛け、損切ラインの値幅は最初は0.3です。
利確ラインの幅は0.2ですので、110.62。
そこから、損切ラインは通常のトレール(後述の通り2種を実装)ですが、利確ラインが逃げていく値幅は現在の足の2本前(シフト値)の安値(売りの場合)を基準に、利確ラインを算出しています。
売りの場合、高値が切り下がり、レートが下がっていくと、それを追うように損切ラインも切り下げられ、一度切り下げられたラインが再度上昇する事はありません。
同じ様に、利確ラインも安値が切り下がりレートが下降すると、現在値から逃げる様に利確ラインを下げていきます。
下記チャートが上表のレート部分です(中略部分も掲載)
青い利確ラインが下降しているレートから逃げる様に切り下げられていきますが、現在値から2本前の安値を基準にしているため、30行目の伸びた陰線の安値に当たり利確に達しています。
上のチャートの中ほど、18行目(上表中略内)で伸びた下髭は、利確ラインに達さず、そこでの利確は発生しませんでした。
チャートではその後も下落しており、利確ラインの切り下げも順調に行われていますが、場合によっては、18行目が底値となってそこから反発し、赤い損切ラインに当たるということもないわけではありません。
ですが、上記チャートの様に更に下落が起こった場合には、損切によって損は大きくなり過ぎない上に、より大きな利益を狙える機能を有しています。
Trailing LimitEA (トレーリング・リミットEA)ファイルについて
ファイルは、EAの形となっています。
MT4のデータフォルダ内MQL4→Expertsに格納してください。
ファイルはトレーリングリミットの対象とするポジションの通貨ペアのチャートに適用します。
EA設定内、シフト値をXとした場合、1時間足に適用すると、X本前ろうそく足の高値・安値を基準として、損切・利確ラインを計算します。
5分足に適用すると、5分足のX本前ろうそく足の値が基準となります。
EAの設定値は以下の通りです。
num_tik:対象ポジションのチケット番号を指定(ターミナルウィンドウに表示の注文番号と同意)
tpips:利確ラインまでの値幅(通貨単位換算)を指定
slpips:損切ラインまでの値幅(通貨単位換算)を指定
shift0:利確ライン算出とする過去の足へのシフト値
ts_syu0:損切の種類(下記)
損切の種類は0か1か2の3種です。
0の場合、損切を設定しません。手動で損切を設定され、その損切ラインが動きません。
1の場合、当該ポジションが含み益でも含み損でも、トレーリング幅より含み益が少なくても、トレールが実行されます。
仕掛け値から0.8円動けば、トレールも0.8円動きます。
2の場合、損切幅分の含み益が発生してから最初のトレールとなります。
通常MT4で保有ポジションに対してトレイリング・ストップを設定すると、この方式となります。
損切幅が1円の場合、仕掛け値から利益方向に1円動いて初めてトレールが実行されます。含み益が0.8円分の場合は、損切ラインは動かず、初期値の仕掛け値から1円のままです。
その設定で、例えば下記設定の場合。
num_tik:1000000
tpips:0.3
slpips:0.5
shift0:2
ts_syu0:1
上記トレーリングストップ(損切)の種類により、初期値は仕掛け値から0.5円の値幅で損切、0.3円の値幅で利確ラインがあり、損切は仕掛け値から1pipsでも利益方向に動いたら、それに合わせて損切ラインも1pips移動する。
利確ラインは、2本前のろうそく足の高値(安値)を基準に、0.3円利益方向にラインを設定し、そこに達する(追いつく)まで保有する。
上記設定の場合は、上の様な内容でのトレールとなります。
尚、チケット番号は各ポジションに対して振られる固有番号ですので、一つのEAで複数のポジションのトレール制御はできません。
ポジション毎にEAを設定する必要があります。(その分、チャートを表示しEAを適用させてください。)
必ずデモ口座等で動作を確認されてください。
当EAの使用によるいかなる損害も当方では責任を負いません。併せて当方にその責任を求める事も放棄されたものとします。
ダウンロードされる場合、ダウンロードもその使用も完全な自己責任で、そのことをご理解されているものとさせていただきます。
ダウンロードは下記より↓
Trailing LimitEA (トレーリング・リミットEA) (TrailingLimit.ex4)
(外部リンク)MetaTrader4公式