旧サイトにて公開していたコラムです。
為替データを用いて、1日の中でその日の高値・安値を付ける時間帯について記載しています。
まず、高値・安値をつける時間帯についてです。
その前に、当レポートでは1日を7時~7時として集計しています。サマータイム等に関わらず、この時間帯での集計です。
時間については1時間毎の集計ですので、一つの時間帯について幅が60分あります。
集計は、日足換算で2494本のデータを使用しています。内訳は1999年9月~のデータですが、一部抜け落ちがございますので、その間のすべての期間ではありません。
1日の中で、その日の高値・安値をつける時間帯は何時が多いのか?
データの1時間足を用意し、それを日足に集計する際に、日足の中で高値となる足、安値となる足のレートと時間も同時に集計する形を取っています。
そうして集計された時間の回数を数え、各時間帯毎に一覧としました。
早速結果についてですが、まずは下記グラフをご覧ください。
このグラフは、縦軸にその時間帯に1日の高値・安値となった際のロウソク足本数、横軸に時間帯をとっています。
ご覧の通り、7時台に高値も安値も200本を超え、一番多い時間帯となりました。
そこから、13時台に向け、回数は少なくなり、14時台15時台の時間帯より回数が増えていきます。
丁度、ヨーロッパ市場の開く時間帯にあわせ、高値・安値をつける回数も増えていくことがわかります。
特に、14時と15時では回数が50前後と100前後ですので、その頻度が倍以上異なります。
その後、夕方~夜に向け回数は減少し、再度20時、21時より回数が増えていきます。こちらもニューヨーク市場が開く時間帯と合致する結果となりました。
ニューヨーク市場開場後は24時に向け頻度はそれほど変わりませんが、この時間帯は安値をつける頻度が多くなっています。
24時を回ると、高値・安値ともに回数が落ちますが、4時前後を底に明け方に向けまた頻度が増えてきています。
高値や安値をつけるということは、値動きや売買が活発になることが考えられますが、このグラフから見ると10時~12時というのはそれほど活発には動かないということになります。
これは経験上ご存知の方も多いかと思いますが、データ上でも実際にそうであることがわかります。
また、高値をつける時間帯も安値をつける時間帯もほぼ同じ頻度で推移することがわかり、そのポイントを抑えることで効率よく利益とすることが可能です。
その日の最高値・最安値後の上昇、下降はどの程度か?
次に、高値や安値をつける前、つけた後の値動きについてです。
これは、高値・安値の前後2時間と、高値・安値との差で集計を行いました。
その一覧が下記の様になっています。
時間帯 | 高値回数 | 安値回数 | 高値前 | 高値後 | 安値前 | 安値後 |
7時台 | 204 | 213 | 0.17 | 0.62 | 0.3 | 0.57 |
8時台 | 150 | 145 | 0.31 | 0.64 | 0.56 | 0.7 |
9時台 | 131 | 127 | 0.43 | 0.61 | 0.43 | 0.62 |
10時台 | 88 | 104 | 0.59 | 0.5 | 0.55 | 0.55 |
11時台 | 59 | 45 | 0.51 | 0.57 | 0.5 | 0.46 |
12時台 | 46 | 28 | 0.52 | 0.52 | 0.47 | 0.53 |
13時台 | 34 | 32 | 0.58 | 0.73 | 0.64 | 0.55 |
14時台 | 49 | 53 | 0.52 | 0.77 | 0.51 | 0.74 |
15時台 | 112 | 104 | 0.47 | 0.7 | 0.51 | 0.77 |
16時台 | 103 | 127 | 0.61 | 0.91 | 0.69 | 0.81 |
17時台 | 131 | 134 | 0.61 | 0.71 | 0.75 | 0.7 |
18時台 | 78 | 92 | 0.67 | 0.66 | 0.84 | 0.71 |
19時台 | 78 | 100 | 0.75 | 0.71 | 0.74 | 0.8 |
20時台 | 96 | 76 | 0.64 | 0.72 | 0.67 | 0.77 |
21時台 | 111 | 92 | 0.59 | 0.71 | 0.67 | 0.77 |
22時台 | 101 | 130 | 0.67 | 0.76 | 0.71 | 0.81 |
23時台 | 122 | 130 | 0.69 | 0.66 | 0.76 | 0.7 |
24時台 | 108 | 141 | 0.73 | 0.53 | 0.74 | 0.63 |
1時台 | 102 | 142 | 0.69 | 0.51 | 0.83 | 0.61 |
2時台 | 90 | 104 | 0.63 | 0.46 | 0.63 | 0.56 |
3時台 | 106 | 95 | 0.54 | 0.45 | 0.66 | 0.65 |
4時台 | 86 | 65 | 0.61 | 0.46 | 0.57 | 0.41 |
5時台 | 102 | 60 | 0.47 | 0.28 | 0.58 | 0.16 |
6時台 | 143 | 91 | 0.44 | 0.28 | 0.71 | 0.25 |
この表は、左から高値をつけた本数、安値をつけた本数、高値をつける2時間前の終値から高値までの値幅の平均、同高値から2時間後の終値までの値幅の平均、安値をつける2時間前から安値までの値幅の平均、同安値から2時間後の終値までの値幅の平均となっています。
例えば、15時台ですと高値をつけた回数が112回、安値の回数が104回、高値をつける2時間前から高値までの値幅が平均0.47通貨単位、高値をつけたあと2時間後までの値幅が平均0.70通貨単位となっています。
これらのデータは平均ですので、上記表中の値幅に達することもあれば、それ以下の場合もあるということでしかありませんが、これらのデータを使用して、1日のチャートの中で、この足は高値や安値になるだろうという仮定の上で、その足から2時間のうちに上記表中より値幅を算出し、それを見越して仕掛を行うという形です。
特に、時間帯で頻度の多い7時前後、15時前後、21時前後に、30分足などでこれまでよりも長い上髭や下髭、長い陽線の後の長い陰線などの組み合わせが発生した場合は、ねらい目といえます。
実際のチャートで見てみた場合は、下記の様になります。
上記チャートは9月30日のGBP/JPY30分足です。
チャート上に記入のある通り、15時30分に3本の陰線が続いた後、陽線の出現となっています。
これをその日の安値と仮定し(当然、その時点ではその後のチャートがありませんので、実際に安値となるかどうかはわかりません)、ここから平均で0.77通貨単位は上昇するということが、先の表にて予想できます。
実際は、15時30分時点でのレートが131.80前後で、次の足(16時)まで見ないと、15時30分の足で下落が止まったかどうかが判りません。
16時の足まで見て、平均の半分はあがるだろうという予想の上で、30pips~40pipsは取れるかと思います。
個人的には、16時の足の最後まで見ると、長い上髭が出ているため、仕掛けるかどうか迷うところではあります。
その後、19:30まで上昇を見せ、そこで長い上髭をつけていますので、その足を高値と仮定し、表よりその後2時間での下落が平均0.71ですので、その半分ほど、30pips前後を狙うという方法もが可能です。
高値や安値の時間帯別頻度を知ると、1日の値動きの予想にもつながりますし、その前後の上昇、下降にて、1日の売買のスケジュールを組むことにも役立ちます。
勿論、この時間帯のみを使っての予想のみでは上手くいかないことも多いかと思いますが、その他の直前の高値や安値のライン、日足の流れなどと組み合わせることで、予想の精度を上げることはいくらでも可能です。
日経平均の高値・安値を付ける時間帯から、朝の寄り付きに注目した値動きについての記事も書いています。
(外部リンク)Yahoo!ファイナンス日本株式
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