色々なテクニカル指標をMACD化してみました。
方法は、タイトルの通り色々な指標をMACD化するだけです。
MACDの計算は下記リンクに掲載の通りですが、各指標に適用する際にひとつひとつ計算させるのは面倒なので、当サイトで公開している自動売買システムUGの再計算機能と任意計算機能を使用して、対象とする数値(通常はロウソク足終値)を変更して計算させています。
色々なテクニカル指標をMACD化してみた。
使用する4本値のデータはすべて同じ期間、同じ通貨ペア、同じ時間足を使用して、それぞれの対比も見ています。
まず、通常のMACD(6-9-3)です。
MACD化のパラメータはすべてこの(6-9-3)を使用しました。これは、6本の指数平滑移動平均と9本の指数平滑移動平均の差を3本単純移動平均にしたものです。
通常のMACDは、やはり見慣れたMACDです。黄色い線がMACDで赤い線がMACD(シグナル)と呼ばれる線です。
通常は、黄色線と赤線のクロスにて売買の判断を行います。
では、早速色々な指標に適用させて見ましょう。騙しの多さや、ラインの動きなどをご覧ください。
ストキャスティクスのMACD化
まずは、ストキャスティクスをMACD化した場合。
ストキャスティクス(9-3-3)のS%D(スロー)を、上記のMACD(9-12-3)でMACD化しました。
↑ストキャスティクス(9-3-3)S%DのMACD化
トレンド系(MACD)とオシレータ系(ストキャス)の組み合わせです。
場所によっては、相場に先駆けてクロスの発生している部分があります。騙しは少なめでは無いでしょうか?
では、単純に売買検証を。
売買検証は、2本の線のゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売る、デッドクロスで売り、ゴールデンクロスで買い戻すという形で、繰り返します。
因みに、このレポートで扱っている通貨ペアや時間足は、USD/JPYの日足です。期間は2009年の初めからです。
では、ストキャスティクス(S%D)のMACD化指標での売買結果です。
<再計算結果>
——全体—————————————————-
取引回数: 18 回 勝取引時平均利益: 2.31 通貨単位
勝ち取引: 10 回 負取引時平均損失: -2.00 通貨単位
負け取引: 8 回 1取引当最大利益: 5.21 通貨単位
勝率: 55.56 % 1取引当最大損失: 5.46 通貨単位
総利益: 23.06 通貨単位 1取引当平均損益: 0.39 通貨単位
総損失: -16.02 通貨単位 最大連勝数: 4 回
総損益: 7.04 通貨単位 最大連敗数: 4 回
PF(総利益/総損失): 1.4395
PFが低いですが、勝率はまずまずの結果となりました。
パラボリック・タイム・プライスのMACD化
次は、パラボリックタイムプライスをMACD化してみます。
パラボリックのパラメータは0.02~0.2としています。
結果が下のチャートです。
上記の通り、騙しの少ない、素直なラインとなりました。
実際に売買を行うとどうなるか?ですが、ストキャスのMACD化同様の方法で、売買検証を行っていますので、その結果を掲載します。
<再計算結果>
——全体—————————————————-
取引回数: 14 回 勝取引時平均利益: 2.42 通貨単位
勝ち取引: 5 回 負取引時平均損失: -1.24 通貨単位
負け取引: 9 回 1取引当最大利益: 7.80 通貨単位
勝率: 35.71 % 1取引当最大損失: 2.58 通貨単位
総利益: 12.11 通貨単位 1取引当平均損益: 0.07 通貨単位
総損失: -11.17 通貨単位 最大連勝数: 3 回
総損益: 0.94 通貨単位 最大連敗数: 6 回
PF(総利益/総損失): 1.0842
結果は、よろしくありません。
ストキャスのMACD化の方が良い結果といえます。
これは、単純にクロスのみで行っているので、今度は損切りと利益確定値を入れてみました。
損切りは100pips、利益確定は150pipsで行いました。尚、すべて終値ベースでの結果です。
<再計算結果>
——全体—————————————————-
取引回数: 14 回 勝取引時平均利益: 2.07 通貨単位
勝ち取引: 7 回 負取引時平均損失: -1.49 通貨単位
負け取引: 7 回 1取引当最大利益: 3.07 通貨単位
勝率: 50 % 1取引当最大損失: 2.08 通貨単位
総利益: 14.47 通貨単位 1取引当平均損益: 0.29 通貨単位
総損失: -10.40 通貨単位 最大連勝数: 4 回
総損益: 4.07 通貨単位 最大連敗数: 2 回
PF(総利益/総損失): 1.3913
結果は、多少良くなった程度で、これでもストキャスのMACD化には届きませんでした。
これまで、パラメータ固定で行ってきていますので、通貨ペアや時間足によって、パラメータを変更したり、損切りライン、利益確定ラインを調整することで、有益な指標になる可能性はありますが、ここでは「こんな指標をこうするとこうなる」という提案程度にとどめたいと思います。
ここから先は読者の皆様にて、いろいろとお試しいただければと思います。
(外部リンク)テクニカル指標(Wikipedia)