概況(9/18)
日経平均は45,303.43円で大引け。
日中高値は45,508.67円まで伸び、フィボナッチ拡張161.8%=45,137円を明確に上抜いた(直近スイング:高値43,876円/安値41,835円に基づく拡張:123.6%=44,357円、138.2%=44,656円、150%=44,896円、161.8%=45,137円)。
終値ベースで史上初の4万5千円台を達成し、トレンドの強さを再確認した。

日足・週足の平均足
日足の平均足は始値44,692円/終値45,134円で陽転継続。
実体陽線+下ヒゲの短期強気パターンで、押し目が浅いまま高値更新となった。
週足平均足(進行週)も始43,356→終45,093の陽線で、高値45,508円まで拡大。
日週ともトレンドは上方向に収斂している。

移動平均線とグランビル
5日=44,827円、20日=43,281円、60日=41,581円で5>20>60のパーフェクトオーダーが続く。
グランビルの法則では、上向きの5日線へ近づく押しは「第1法則」型の押し目になりやすい。
短期は45,137円(161.8%)の上で保てるかが分岐。
仮に利食いで150%(44,896円)~138.2%(44,656円)へ差し込む場面があれば、5日線~138.2%の帯で反発の質を精査したい。
20日線は上昇勾配を維持しており、中期の「買い直しエリア」として機能しやすい。

ファンダメンタルの現在地
米FOMCは9月17日(現地)に政策金利を0.25%引き下げ、4.00-4.25%へ。
利下げ「開始」を明確にしつつ、今後はデータ次第のスタンスを強調した。
これはグローバル株式、とりわけバリュエーション感応度の高いテック主導のリスク資産に追い風となる一方、ガイダンス次第では再び物色の回転が速まる局面も想定される。
為替はドル/円が147円前後で推移し、輸出企業の採算面での支えは続く。
一方、日本ではコアCPIが7月+3.1%と目標超にとどまり、8月の企業物価(CGPI/PPI)は前年比+2.7%、前月比▲0.2%。
物価の粘着性に配慮しつつも、景気・為替・原材料価格の混合要因が企業収益に与える影響は業種間で差が出やすい。
日銀は9月会合(~19日)で据え置き見通しが優勢。
政策金利0.5%維持観測の下、総裁会見のガイダンスに注目が集まる。
業種別の現況と展望
半導体・AI関連:
米利下げ開始で長期金利の頭打ち感→成長株再評価の流れが意識されやすい。
直近もテック主導で指数が史上圏を更新しており、好地合い継続の前提では45,137円上での推移=モメンタム継続のサイン。
ただし米金利ガイダンス次第でボラ拡大に備える。
輸出(自動車・機械):
147円前後のドル円は収益面のフォロー。
指数が161.8%を走る局面では上げ一服の戻り売りも出やすいが、5日線維持なら相対堅調を想定。
銀行:
国内金利の「据え置き観測」と物価の粘着性が綱引き。
長期金利が素直に上振れない局面では伸び悩みだが、秋以降の政策・物価次第で拾われやすい地合いも。
内需(小売・サービス):
コスト高と賃上げの相殺で選別色が強い。
為替・エネルギー価格次第で収益感応度に差が出る点に留意。
価格帯シナリオと戦略
強気継続シナリオ:
45,137円(161.8%)を終値で維持→モメンタム継続。
上振れ局面は高値45,509円更新トライ。
伸び切りのサイン(長い上ヒゲ連発や平均足陰転)が出たら即時の部分利確でデルタ調整。
スピード調整シナリオ:
利食いで150%(44,896円)~138.2%(44,656円)へ。
5日線の角度が鈍化しない限りは押し目優位。
123.6%(44,357円)までの下押しでも20日線は上向き維持で、中期トレンドは不変。
転換警戒シナリオ:
平均足が陰転し、20日線割れで終えた場合は中期の過熱修正入りを想定。
いったん戻り売り優先に切り替え、20日線回復まではポジション軽く。

まとめ
平均足(日・週)陽転、移動平均は上から整列、終値で161.8%突破。
テクニカルは文句なしの上昇トレンドだが、FOMC利下げ開始で金利・為替・物色の回転が早くなりやすい地合いでもある。
基本戦略は45,137円維持=順張り、割れ=押し目の質を5日線で吟味。
イベント(FOMC後の発言・日銀会見)でシナリオを柔軟に更新しつつ、値幅は44,656~45,509円を当面の主戦場とみる。
(外部リンク)Google finance(グーグルファイナンス)日経平均株価