概況(9/19)
9月19日の日経平均は始値45,634.29/高値45,852.75/安値44,495.46/終値45,045.81。
実体は前日比で陰線。
一方、日足平均足は始44,913.60→終45,257.08で陽線継続、トレンド自体は上向きを維持している。
週足平均足も始43,356→終45,085の陽線で、週次トレンドも上方向に収束した。

フィボナッチ拡張の攻防(直近スイング:高43,876/安41,835)
拡張水準は150%=44,896.50/161.8%=45,137.34/176.4%=45,435.32/200%=45,917.00。
この日は高値45,852.75まで上伸し176.4%(45,435)を一時超過→200%(45,917)に迫る“届かず反落”。
引けは161.8%を下回りつつも150%超を維持。
当面は45,137(161.8%)を奪回できるか、あるいは44,896(150%)を守れるかが分岐である。
150%割れでは44,656(前拡張138.2%相当)~5日線が初期サポート帯になる公算が高い。

日足・週足の平均足と移動平均(グランビル)
平均足は日週とも陽転で、押しを挟みながらの上昇基調。
移動平均線は5日=44,962/20日=43,403/60日=41,685で5>20>60のパーフェクトオーダーが継続。
グランビル第1法則に沿い、上向きの5日線へ寄せる押しは基本的に買い場として機能しやすい。
一方で、161.8%回復に失敗して平均足が陰転するなら、150%~138.2%帯までの“スピード調整”は許容したい。
20日線が上昇勾配を保つ限り、中期上昇シナリオは崩れにくい。

ファンダメンタルの現在地
FOMCは9月17日に0.25%利下げ(誘導目標4.00?4.25%)で“利下げ開始”を明確化。
今後はデータ次第のスタンスを強調した。
金利感応度の高いテック中心にグローバル・リスク資産へはプラスだが、ガイダンス次第で物色の回転は速まりやすい。
日銀は19日に政策金利0.5%を据え置き。
同時にETF・J-REITの段階的売却開始を発表し、市場はサプライズ気味に反応、発表直後は日経が反落する場面もみられた。
ボード内には引き上げ主張(0.75%案)もあり、タカ派化シグナルをにじませた。
為替はドル/円が9/19時点でおおむね147円台で推移。
輸出採算には追い風だが、円安の副作用(コスト高)も一部内需に残る。
直近ではコアCPIが8月+2.7%と目標超が続き、日銀のガイダンスに対する市場の敏感度は高い。
業種別の現況と見通し
半導体・AI関連:
FOMC利下げ開始で長期金利の頭打ち感→成長株再評価が追い風。
指数が161.8%を回復・維持できればモメンタムは再点火しやすいが、176.4%~200%では利益確定も出やすくボラ拡大に留意。
輸出(自動車・機械):
ドル/円147円台は収益面の支え。150%上を保てる限りは相対堅調が続く想定。
銀行:
日銀が据え置き+ETF売却を示す一方、CPIは粘着。
長短金利が素直に切り上がるならポジティブだが、イベント通過直後は方向感を見極めたい。
拾うなら5日線~138.2%帯への押し目で段階的に。
内需(小売・サービス):
コスト要因と賃上げの綱引き。
為替・エネルギーの波及で銘柄間格差が拡大。
指数が150%を割り込む局面ではディフェンシブの相対強度が高まりやすい。
トレード戦略と価格帯シナリオ
●上値追い再開:
45,137(161.8%)を終値で回復・維持→45,435(176.4%)→45,917(200%)を段階的に試す。
上ヒゲ連発や平均足陰転が出たら部分利確でデルタ調整。
●スピード調整:
戻り売りで44,896(150%)~5日線へ。
150%明確割れなら44,656(≒138.2%)まで想定し、反発の質(出来高・ヒゲの位置)を精査。
●転換警戒:
20日線割れで週足も鈍化なら、中期の過熱修正入り。
戻りは161.8%~150%で売り直す運用に切替。

まとめ
テクニカルは平均足(日週)陽転・5>20>60の強気配置で上昇基調は不変。
ただし9/19は大きな上下ヒゲの“ボラ拡大型の陰線”となり、161.8%割れ・150%上という“緊張と緩和”の着地。
FOMC利下げ開始と日銀の据え置き+ETF売却が交錯するなか、45,137の再奪回か44,896の防衛かで次の一手が決まる。
近い将来の主戦場は44,656~45,917の拡張帯である。
(外部リンク)Google finance(グーグルファイナンス)日経平均株価