9月24日の日報のファンダを一般的な因果の解説と、投資・金融に全く興味ない高校1年生でもわかるような解説をしてみた。


2025年9月24日

 

9月24日の日報のファンダメンタルズに出てた以下の3点について、一般的な因果の解説と、投資・金融に全く興味ない高校1年生でもわかるような解説を併記してみました。
ファンダの3点は、
1)「海外金利のピークアウト観測」と「主要国の緩和方向へのモード」→グロース有利。
2)「為替は円安基調の範囲で推移」→外需の採算はプラス、内需にはコスト高が重石。
3)「国内物価は粘着的」→政策の急転は想定しづらい/イベントのガイダンス注視。

 

 

1) 「海外金利のピークアウト観測」と「主要国の緩和方向へのモード」→グロース有利になりやすい理由

仕組み

  • 金利のピークアウトとは、政策金利・長期金利が“これ以上は上がりにくい/むしろ下がる”と市場が見始める状態。背景はインフレ鈍化、景気の減速シグナル、金融条件の効きの顕在化など。
  • 緩和方向へのモードは、中央銀行の「利上げ停止→利下げを視野(=金融条件の緩和)」というスタンス。実際の実施前でも、先行きガイダンスや金利先物/OISが織り込む期待が価格に先に反映されます。

 

相場への伝わり方

  • グロース株(特にテック)は“株式のデュレーション”が長い=将来キャッシュフローの比重が大きい。割引率(≒金利)が下がるほど現在価値が上がりやすい。
  • 金利低下はWACC(資本コスト)低下→投資採算の改善→バリュエーションの上方修正(PER拡大)につながりやすい。
  • 一方で金融・保険など金利上昇で利ざや拡大が効くセクターは、ピークアウト局面では相対的に恩恵が薄れます。

 

裏取りポイント

  • 先物市場の金利織り込み(OIS・FF先物・ソブリン先物)で、利下げ時期・回数の期待がどう推移しているか。
  • インフレ指標(CPI/PCE・期待インフレ)と成長指標(PMI・雇用)の変化。
  • イールドカーブの傾き(フラット化/スティープ化)と長期実質金利の方向。

 

ってのを、やさしく言うと・・・

お金を借りるときの“利子(=金利)”が、これ以上はあまり上がらなそう、むしろ下がるかも…という空気になっている。

さらに、外国の中央銀行は「ガチガチに締めるのは終わり。少しゆるめてもいいかも」というムードだ。

なぜ株に効く?

未来に大きく伸びる会社(たとえばIT・AIなど)は、「将来もらえるお金の価値」で株価が決まりやすい。

金利が下がると、“将来のお金”の価値を今に換算したとき有利になり、株価が上がりやすくなる。

逆に、金利が高いほど得をしやすい銀行などは、相対的に有利さが薄れることもある。

チェックするなら
・ニュースで「いつ利下げ(利子を下げる)しそうか」
・物価(物価上昇の勢い)や景気の数字が弱まってないか→これらが「金利は下がりそう」を後押しするサイン。

 


 

2) 「為替は円安基調の範囲で推移」→外需の採算はプラス、内需にはコスト高が重石になりやすい理由

仕組み

  •  円安=1ドルあたりの円価格が高い状態。輸出企業は外貨売上を円に換算すると増えるため、売上・利益の目減りが起きにくい(トランスレーション効果)。また価格競争力も相対的に高まる。
  • 反面、日本はエネルギー・原材料の輸入依存度が高い。円安は輸入価格を押し上げ、電力・燃料・原材料コストを通じて内需のマージンや実質購買力を圧迫しやすい。

 

相場への伝わり方

  • 輸出(自動車・機械・電機)は円安が業績上方バイアス。決算での為替感応度(例:1円動いた時の営業益インパクト)を持つ企業が多い。
  • 内需・小売・外食・サービスは、輸入品やエネルギーのコスト転嫁が追いつかないとマージン圧迫。価格転嫁が進んだ銘柄は耐性があり、そうでない銘柄は収益に遅行的な重石。
  • 電力・紙パルプ・化学などの資源・エネルギー感応度の高い業種は、為替と原燃料価格の“複合要因”でブレが大きくなる。

 

裏取りポイント

  • USD/JPYの水準とボラティリティ、主要通貨に対する円の実効レート。
  • 企業決算の為替前提(期中想定レート)と為替感応度の開示。
  • 電力料金・燃料価格・輸入物価指数(IPI)や企業物価(PPI/CGPI)の推移。

 

ってのを、やさしく言うと

1ドルを買うのに必要な円が増えている=円安。

日本から海外へモノを売る会社は、ドルでもらった売上を円に直すと増えやすいので有利。

一方で、日本はエネルギーや原材料を海外から買うことが多いから、円安だと仕入れが高くなる。

電気代やガソリン代、食品の値段にもじわじわ響く。

 

なぜ株に効く?
・輸出(自動車・機械など)は業績が良くなりやすい
・内需(国内向けの小売・外食など)は、仕入れが高くなって利益が減りやすい(値上げでカバーできる会社は強い)

チェックするなら
・ニュースの「ドル円(例:1ドル=147円など)」
・企業が発表する「想定為替レート」(会社が見込む平均レート)
→想定より円安だと、輸出企業は上振れしやすい。

 


 

3) 「国内物価は粘着的」→政策の急転は想定しづらい/イベントのガイダンスで短期ボラが出やすい理由

 

仕組み

  • 物価の“粘着性(stickiness)”は、サービス価格・賃金・家賃・管理価格などが下がりにくく上がりにくい慣性を持つことを指します。とりわけサービスインフレは賃金サイクルに連動しやすく、一度上がると戻りにくい。
  • 物価が粘着的だと、金融政策は急激な緩和/引き締めを避け、データ依存・段階的になる傾向。中央銀行は期待インフレをアンカーするため、ガイダンス(言葉)で市場にシグナルを出し、金利経路を調整します。

 

相場への伝わり方

  • 市場は“期待との差”に反応します。会合や要人発言のトーンの微妙な変化(例:景気判断、インフレ見通し、バランスシートの扱いなど)に敏感で、サプライズ=短期ボラティリティの噴出につながる。
  • 物価の粘着性ゆえに大方針の急転は出にくいが、言葉のニュアンスだけで利下げ/利上げの経路や開始時期の織り込みがズレ、指数・為替・金利・セクターの回転が起きやすい。

 

裏取りポイント

  • コアCPI/サービスCPI/賃金指数の趨勢(前年比・前月比・モメンタム)。
  • 中銀の声明・議事要旨・総裁会見のキーワード(リスクバランス、需給ギャップ、賃金・物価の好循環、需給逼迫度など)。
  • イベント前後のインプライド・ボラティリティ(オプション)や出来高の変化。

 

ってのを、やさしく言うと

サービス料金や給料は、いったん上がると急に下がりにくい。

だから日本の中央銀行(日本銀行)は、政策を急にガラッとは変えにくい。

その代わり、会見や文章で「これからどうするか」を少しずつ伝える。

 

なぜ株に効く?

市場(みんなの予想)は、その言い方の細かい変化にすごく敏感。

「予想より慎重だ」「ちょっと強気だ」など、ニュアンスの違いだけで株や為替が短時間で大きく動くことがある。

チェックするなら
・ニュースの「日銀総裁の会見」「声明文の言い回し」
・サービス価格・給料の伸び(物価が下がりにくいかを見る目安)


 

まとめ:

1. 海外金利がピークアウト→緩和志向
⇒ 割引率低下が先に織り込まれ、長デュレーションのグロースが相対強。

2. 円安レンジ
⇒ 輸出は採算改善、一方で輸入コスト上昇が内需に遅行的な重石。

3. 国内物価は粘着的
⇒ 政策は段階的・ガイダンス重視、“期待との差”で短期ボラが出やすい。

この3点が重なると、「指数は上昇トレンドを維持しつつ、イベント(中銀・CPI・雇用)のたびに金利・為替の微妙な変化で物色が回転し、短期の振れ(ボラ)が残る」という地合いになる。。

実務的には、金利織り込み(OIS)・為替(USD/JPY)・国内サービスCPIの3枚看板を毎回チェックして、“期待とのギャップ”がどちらに出るかを先回りするのがコツ。

 

まとめをやさしく言うと。

今の相場はこう見える

海外の金利は下がりそう → 将来に期待が大きい会社の株が有利になりやすい

円安 → 輸出は追い風、でも国内のコストは重くなりやすい

日本の物価は下がりにくい → 政策は急に変えにくい。だからこそ発言の一言一句で相場が揺れやすい

つまり、上昇の流れは続きやすいけれど、イベント(中央銀行の会合・物価発表)のたびに短期的に上下にブレやすい、そんな地合いになりやすい、という見方。

超ざっくり“見るべき指標”まとめ

金利の未来予想:利下げが近いほど“成長株に追い風”

ドル円:円安なら輸出◎、内需はコスト注意

サービス物価・賃金:下がりにくいほど“政策はゆっくり”、発言で相場が動く

 

 

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