概況
10月1日の日経平均は44,550.85円で大引け。
寄り付き44,831.95円から上値44,874.42円、下値は44,357.65円。
日足の平均足は始値45,124.78→終値44,653.72で実体陰転、短期モメンタムはやや減速した。
一方、週足平均足（進行週）は始44,806→終44,794近辺の陽線寄りで踏みとどまり、週次の上昇基調はかろうじて温存している。
テクニカル総覧（平均足×移動平均×リトレース）
日足の平均足は陰転ながら下ヒゲを残し、押し目形成の余地を示す形状。
移動平均は5日=45,127円、20日=44,337円、60日=42,319円で5＞20＞60の強気配列を維持。
ただし終値は5日線を明確に下回り、20日線の上で辛うじてキープというポジションで、短期は「上昇トレンド内の初押し」に近い。
直近スイング（高値=45,852円、安値=41,835円）を基準にしたフィボナッチ・リトレースメントは、
38.2％=44,317円／50.0％=43,843円／61.8％=43,369円／78.6％=42,695円。
本日の下値は44,357円で、38.2％（44,317円）をギリギリ割り込まずに反発。
よって、38.2％と20日線の重なり帯がきょう時点の最重要サポートとして機能している。
グランビルの法則で読む「跳ね」の条件
グランビルの買い①は「上向き移動平均線を下から上へ明確に奪回」が条件。
現状は5日線の下にあるため、買い①は未成立。
一方、買い②（上向きMAに接近して反発）の観点では、20日線（44,3万円台）＋38.2％で一度“受け止め”が入った格好。
明日の注目は
- 終値で5日線（45,127円）を明確に回復できるか。
- 回復に伴って出来高が増勢に転じるか。
これが揃えば、“押し目からの跳ね”再開と判定しやすい。
逆に38.2％割れ→50％（43,843円）へ下方シフトなら、戻り売り優位へのモード切替を意識。
日足・週足の転換点
日足は陰転→陽転戻しが入るかが第一分岐。
終値ベースで5日線回復＋直近戻り高値の更新が見えれば、45,000円台後半へのリバウンドが現実味を帯びる。
週足はなお陽線寄りで、週末に20日線上を維持できるかどうかが10月前半の“基礎体力”を左右する。
ファンダメンタルの現在地（要点）
海外は利下げ開始後の“データ次第”モードで、金利の頭打ち観測が消えていない。
長期金利が落ち着けば成長株（テック・AI）に相対追い風だが、ガイダンス一言で金利・為替が振れやすいため、イベント前後は短期ボラが残る。
為替は円安レンジを背景に外需採算は支えられる半面、エネルギーや原材料コストは内需に重石。
国内はサービス価格・賃金の粘着性が高く、政策は段階的・言葉（ガイダンス）重視の運転が続く見立てだ。
業種別の現況と見通し
半導体・AIは金利一服観測が続く限り相対強。
テクニカルでは20日線上維持＋5日線奪回でモメンタム再強化が見込みやすい。
輸出（自動車・機械）は円安が下支え。
38.2％～20日線の押しは拾われやすく、戻り足が強ければ指数のリード役に復帰。
銀行は国内金利トーンの見極め待ち。
戻り局面で出来高を伴って5日線回復なら相対度合いが上がる。
内需（小売・サービス）はコスト転嫁力の差で明暗。
指数が38.2％～50％のレンジで揉み合う際は、ディフェンシブの相対強度が意識されやすい。
価格帯シナリオと戦術
上方向（押し目成功）：
終値で5日線回復→まず45,000円台半ばへ。
以降は戻り高値更新を合図に、前回高値帯の試しへ段階的に。
上髭連発なら部分利確でデルタ調整。
レンジ継続：
38.2％（44,317円）～5日線の箱レンジで往来。
下ヒゲ・出来高増の反発は短期逆張りの好機。
下方向（調整深掘り）：
38.2％割れで50％（43,843円）を試し、なお弱ければ61.8％（43,369円）が次の下支え候補。
ここでの止まり方が中期トレンド維持の分かれ目。
まとめ
骨格（5＞20＞60）は強気だが、終値は5日線下・20日線上という“綱引き”の真ん中。
きょうは38.2％で踏みとどまった点が救いで、5日線を素早く奪回できるかが明日の最大テーマだ。
奪回なら“押し目からの跳ね”再開、割れ込むなら50％→61.8％へと調整の深さを測る一日になる。
(外部リンク)Google finance(グーグルファイナンス)日経平均株価