トレンドの強さや方向性を判断するADX(Average Directional Index)というテクニカル指標について、そのトレンドの強さや方向性を測定方法等を掲載します。
指標の計算方法やVBAのコードなどは以前アップした記事に掲載していますのでそちらをご参照ください。(→ ADXの計算方法の記事)
ここでは、ADXの具体的な使用方法に言及しています。
ADX(Average Directional Index)の活用法とトレンドの強さの測定
Average Directional Index(ADX)とは
ADXとは、Average Directional Indexの略で、ウェルズ・ワイルダーによって開発されたテクニカル指標です。
この指標はADX単体ではなく、+DI(Positive Directional Indicator)と-DI(Negative Directional Indicator)という2つの線と一緒に表示されます。
+DIは上昇トレンドの強さを表し、-DIは下降トレンドの強さを表します。
ADXは、+DIと-DIの差の絶対値の平均値であり、トレンドの強さを示します。
単体のADXは0から100までの値をとりますが、一般的には25以上が強いトレンド、25以下が弱いトレンドとされます。
ADXの使い方
ADXを使ってトレードする方法はいくつかありますが、ここでは代表的な2つの方法を紹介します。
1. ADXの値でエントリーとエグジットを決める
ADXの値が25以上になったらエントリーします。
25以下になったらエグジットします。
これは、強いトレンドに乗ることで利益の最大化を狙います。
また、弱いトレンドでは損切りすることでリスクの最小化を図っています。
下図は一例です。
赤丸の、ADX>25で仕掛けます。
青丸のADX<25で決済します。
2. +DIと-DIのクロスでエントリーとエグジットを決める
この方法では、+DIと-DIがクロスした時点でエントリーします。
逆にクロスした時点でエグジットします。
トレンドの方向性に従ってポジションを持ち替えることで利益を追求するという考え方です。
下図がその一例です。
+DIが-DIを上抜けたら買いポジションを持ちます。
逆に下抜けたら売りポジションに切り替えます。
ADXの注意点
トレンドの強さや方向性を測定するためにADXは有効ですが、注意すべき点もあります。
– ADXは遅れる指標である
当指標は過去のデータから計算されます。
そのため、現在のトレンドや価格変動に対して遅れて反応します。
ADXが高い値を示してもすでにトレンドが終わりかけている可能性があります。
また、ADXが低い値を示してもすでにトレンドが始まっている可能性があります。
そのことを理解しておくだけでも有用となります。
– ADXはトレンドの方向を示さない
単体のADXはトレンドの強さを示すだけで、トレンドの方向は示しません。
ADXが高い値を示しても、上昇トレンドなのか下降トレンドなのかは判断できません。
そのため、+DIと-DIの関係や価格の動きなどを参考にする必要があります。
まとめ
ADXは、トレンドの強さや方向性を測定するテクニカル指標です。
ADXの値や+DIと-DIのクロスによって、エントリーやエグジットのタイミングを決めることができます。
しかし、ADXは遅れる指標です。
ADX単体ではトレンドの方向を示しません。
他のテクニカル指標やチャートパターンなどと併用することが必要です。
ADXを使って、トレンドに乗ることで利益を最大化しましょう。
(外部リンク)テクニカル指標(Wikipedia)