ピボットポイントは、テクニカル分析の中でも重要な概念であり、相場のサポート(支持)やレジスタンス(抵抗)のレベルを特定するために広く使用されています。
この記事では、ピボットポイントの意味とその計算方法、さらにサポート・レジスタンスの設定方法について詳しく解説します。

ピボットの例
ピボットポイントの意味とサポート・レジスタンスの設定方法
テクニカル指標のピボットポイントとは何か?
ピボットポイントは、前日の高値・安値・終値を基にして計算される価格のレベルです。
これによって、相場のトレンドや範囲を特定し、その日のサポートとレジスタンスの水準を把握することができます。
ピボットポイントは主に日中のトレーディングで使用されますが、週間や月間のトレンドの特定にも応用されることがあります。
ピボットポイントの計算方法
以下がピボットポイントとそれに関連する価格レベルの計算方法です。
1. ピボットポイント(PP):(前日の高値 + 前日の安値 + 前日の終値) / 3
2. R1(1st Resistance):2 × PP – 前日の安値
3. S1(1st Support):2 × PP – 前日の高値
4. R2(2nd Resistance):PP + 前日の高値 – 前日の安値
5. S2(2nd Support):PP – 前日の高値 + 前日の安値
6. R3(3rd Resistance):PP + 2 ×(前日の高値 – 前日の安値)
7. S3(3rd Support):PP – 2 ×(前日の高値 – 前日の安値)
これらの計算方法によって、ピボットポイントとサポート・レジスタンスのレベルが求められます。
サポートとレジスタンスの設定方法
ピボットポイントを基に、サポートとレジスタンスのレベルを設定することができます。
これによって、価格が特定のレベルに達した際に反応する可能性を見極めることができます。
1. サポート(Support):
ピボットポイントよりも低いレベルで、価格が下落してきた場合に一時的に停止し、上昇する可能性がある水準です。
主にS1やS2がサポートのレベルとして使われます。価格がサポートに接触した際、反発して上昇するかどうかを観察します。
2. レジスタンス(Resistance):
ピボットポイントよりも高いレベルで、価格が上昇してきた場合に一時的に停止し、下落する可能性がある水準です。
主にR1やR2がレジスタンスのレベルとして使われます。価格がレジスタンスに接触した際、押し戻されて下落するかどうかを監視します。
ピボットポイントの活用法
ピボットポイントとサポート・レジスタンスのレベルは、トレーダーにとって重要な参考情報となります。
1. 範囲の特定:
ピボットポイントを中心にして、サポートとレジスタンスのレベルが価格の範囲を示すのに役立ちます。
価格がピボットポイントを中心に上下に動く範囲内で取引のポイントを探ることができます。
2. トレンドの転換点:
ピボットポイントがサポートまたはレジスタンスに接触した際に価格が反応する場合、トレンドの転換点を示唆している可能性があります。
特に、ピボットポイントと他のテクニカル指標が重なる場合、相場の変動が予測しやすくなります。

ピボットの例 赤系色のラインがレジスタンスライン、青系色のラインがサポートライン。
ピボットポイントは、価格の動向を把握し、サポート・レジスタンスの設定に役立つ重要なツールです。
ただし、単体ではなく他のテクニカル指標やチャートパターンと組み合わせて使うことで、より確かなトレードの判断ができるでしょう。
この記事を通じて、ピボットポイントの意義とその設定方法について理解を深め、トレーダーとしてのスキル向上にお役立ていただければ幸いです。
(外部リンク)テクニカル指標(Wikipedia)