2019年10月の増税が決定している消費税について、1989年4月1日の3%の導入後、その後の2回にわたる増税時に株価(日経平均株価)がどう動いたか調べてみました。
導入時と増税時の過去3回しかデータがありませんが、導入後の日足の動き、導入後の週足の動きを実際のデータを基にろうそく足で掲載しています。
導入時と過去2回の増税はいずれも4月1日でしたので、その年の3月~4月の動きを日足で、~8月末程度までの動きを週足で掲載しています。
消費税増税後の株価はどう動く?
3%導入時の株価の動き(日足)
まず、1989年4月1日の消費税3%が導入された時です。
もう、歴史の一部です。
1989年3月1日~1989年4月28日までの日経平均株価日足データです。
1989年4月1日は土曜日で、1989年の2月から土曜日の半日立会は廃止され、この時は休場日です。
ですので、週明け月曜日の4月3日の始値を上のチャートの赤丸でプロットしています。
日足では、消費税導入後、500円近く値上がり、4月末に下落。
導入時の株価程度まで下げた後、上昇に転じています。
上は3%導入時ですので、次は3%から5%に増税された時。
3%→5%に消費税増税。株価の動きは?
1997年4月1日、それまで3%だった消費税が5%に増税されました。
橋本龍太郎総理の時代です。
消費税が5%になった4月1日の始値を赤丸でプロットしています。
増税後、10日程度は下落基調が続き、その後上昇に転じて2000円程度の値上がりとなりました。
こちらも、消費税導入時と同じく、導入された月は上昇して終わっています。
2014年4月、5%から8%へ。その時株価は?
そして、2014年4月1日、5%から8%へ増税されました。
上記は2014年3月~2014年4月末の日経平均株価日足チャートです。
増税となった4月1日の始値を赤丸でプロットしています。
増税後、2日程度上昇、その後は下落して、導入時から800円近く値下がりしたあと半分ほど戻して4月を終了しています。
消費税導入時と、3%から5%への増税時には、その月は上昇して終わっていたのが、2014年は下落しての終了となりました。
日足で考えた時に、3回中2回は上昇していると考えるか、直近の2014年は下落したと考えるか、意見の分かれるところです。
そこで、もう少し長いスパンの週足でそれぞれの株価の動きを見てみます。
消費税導入・増税で株価はどう動くか?(週足)
消費税導入時、3→5%の増税、5→8%の増税時の週足の動きが下記です。
まず、導入時の1989年1月~8月の週足です。
次が3→5%増税時、96年1月~8月です。
最後に、2014年の5%→8%増税時で、こちらも14年1月~8月の週足です。
日足では増税後上下していたレートも、週足で見ると、増税(導入)後、2~3ヶ月後には上昇しているのが分かります。
89年導入時は、33000円だった日経平均は35000円程度まで上昇しています。
97年3%→5%増税時も18000円から最大で20500円程度まで上昇、2000円以上値上がりとなりました。
14年の5%→8%増税時は、増税後2か月は1000円ほどの値下がりです。
その後反転して増税時から比較すると500円程度、増税後一番下がったところから考えると1500円程度上昇しています。
因みに、2014年の上記8月までの続きは、14年の年末には18000円程度まで上昇しており、その値幅は3000円の上昇で推移しました。
ここまで見てきた通り、日足で見た場合にはそうでもありませんが、週足で見ると概ね上がるという結果になっています。
日本が経験した消費税の導入や増税は上記過去3回ですので母数が少なく、今回は初めて10月の増税となり時期的にもこれまでとは違った動きになる可能性もありますが、過去3回は「半年程度は上昇基調」という流れでした。
消費税が増税されると株価は上がりやすいようです。
(外部リンク)日本の消費税について(Wikipedia)