陰陽足についてです。計算式、チャート、使い方を掲載。陰陽足という指標で、通常のロウソク足に追加して、前日終値と当日終値の平均線をロウソク化したテクニカル指標となります。ローソク足と同じく陽線、陰線の並んだチャートとなり、その陰陽、足の長さ、複数のパラメータのラインとの組み合わせから、売買の判断やトレンドの転換を捉える指標です。
陰陽足(計算式、チャート、使い方など)テクニカル指標。
陰陽足の計算式
前日終値のX本移動平均(=前日のX本移動平均)→始値
当日終値のX本移動平均→終値
として、
前日終値移動平均(=前日のX本移動平均)<当日終値移動平均の場合に陽線、
前日終値移動平均>当日終値移動平均の場合に陰線をプロットする。
つまり、ロウソク足を描く際の始値をX本移動平均の前日値、終値をX本移動平均の当日値を使用し、高低線(高値や安値)はプロットしないというチャートになります。
陰陽足のチャート
日経平均日足チャート(16年5月~16年11月付近)のチャートです。
青いロウソクが3日移動平均を使用した陰陽足、オレンジが同10日、緑が同25日です。
尚、見易さのため、陰陽足は計算されたレートから2000円を一律引いています。(実際のレートは黒い4本値付近となり、黒のロウソク足と交差するチャートとなります)
同じく、同じ期間陰陽足のチャートですが、下記ではパラメータを変更しています。
5日、15日、40日の陰陽足です。
1週間、3週間、2か月の移動平均線からなる陰陽足です。
日経平均にはこちらのパラメータの方があっている気がします。
陰陽足の使い方
陰陽足の使い方です。
基本的には、上記チャートの用に3種程度のパラメータを採用し、すべての足が陽線になったら買い、すべての足が陰線を示したら売り、という判断になります。
そのほかにも、順列(短い期間を採用しているラインから順番に上から並ぶ)で買い、逆列で売りという判断も可能です。
こちらの場合は移動平均線のゴールデンクロス、デッドクロスとも似た運用になります。
それら判断と合わせ、足の長さにも注目し、中期線、長期線を短基線の陽線で上抜く場合や、陰線で下抜ける場合など、トレンドの転換をつかむことが可能です。
下記チャートは、5本、15本、40本の日経平均株価日足のチャートです。
19年9月から20年6月付近を表示しています(これまでのチャートと同様、陰陽線は-2000円のオフセットが加えられています)
新型コロナ感染症の流行によって、日経平均株価は20年の2月頃から下落を開始しました。
それまで順調に上昇してきていたレートの、上昇の幅が鈍化し、陰陽足の短期線、中期線、長期線の交錯が始まった後、大きく下げているのがわかります。
その後、20年4月頃に陰陽足が順列になり、3つの足がすべて陽線に変わった後、21000円から23000円の上昇を迎えています。
もちろん、すべての場面で上記の用に上手くいくものではありませんし、陰陽足だけではなく、他の指標等との組み合わせも必要かと思いますが、扱う対象やパラメータによってはかなり有用な指標ではないでしょうか。
(外部リンク)テクニカル指標(Wikipedia)
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