陽線率(計算方法、チャートなど)テクニカル指標。マルチタイムフレーム化とカスタムインディケータ


2021年5月31日



 

過去一定期間の陽線の本数、陰線の本数から、陰陽の連続の行き過ぎやトレンドを掴もうというテクニカル指標です。

株価など、各銘柄の日足が陽線だったか陰線だったからから求められる、相場全体の陽線率とは異なり、時系列チャート上で計算・表示されるテクニカル指標としての陽線率を扱っています。

単純に本数で計算するバージョン、本体の長さで計算するバージョン、ヒゲの上昇傾向・下降傾向も含めた数値で計算するバージョンの3種類を掲載しています。

陽線率の計算方法、チャート、MetaTrader用カスタムインディケータのダウンロードなど用意しています。

 

陽線率(計算方法、チャートなど)テクニカル指標。

 

 

 

陽線率の計算式

 

過去一定期間の陽線・陰線の本数や、本体の長さ、ヒゲの長さなどを含めた数値を使うなど、3パターンがあります。

 

パターン1 陽線、陰線の本数のみの場合

陽線率 = 過去X本の陽線の本数 ÷ X ×100%

 

パターン2 ロウソク足本体の長さで計算する場合

陽線率 = 過去X本の陽線の本体長 ÷ 過去X本の全ロウソク足の本体長 × 100%

 

パターン3 ロウソク足本体とヒゲの長さも含めて計算する場合

陽線率 = (過去X本の陽線の本体長 + 過去X本の下髭の長さの合計) ÷ 過去X本の(高値-安値)の合計 ×100%

 

 

まず、パターン1については、例えばパラメータが5の場合、過去5本の陽線の本数を5で割って、パーセンテージ化したラインになります。

過去一定期間の全体のうち、陽線が立った割合となります。

 

パターン2と3は本数ではなく、陽線やヒゲの長さも含めた指標です。

パターン2は、陽線の長さの割合です。

陽線率 = 過去X本の陽線の本体長 ÷ 過去X本の全ロウソク足の本体長 × 100%

は、言い換えれば

陽線率 = 過去X本の陽線の本体長 ÷ (過去X本の陽線の本体長 + 過去X本の陰線の本体長) × 100%

となり、陽線と陰線、どちらが長く伸びているか、全体に対して陽線がどのくらい伸びているかを示しています。

 

パターン3は、パターン2にヒゲの長さを考慮したもので、下髭は陽線の本体長に算入し、上髭は陰線の本体長に算入している事と同じ計算になります。

下髭は、下値の堅さや堅調さを示す傾向があるため、陽線と同等として計算に算入しています。

 

 

 

陽線率のチャートと売買ポイント、マルチタイムフレーム化

 

パターン1~3のラインの違いは下のチャートの様になります。

 

陽線率。USD/JPY 1時間足

陽線率。USD/JPY 1時間足

 

赤い線がパターン1、水色の線がパターン2、黄色の線がパターン3です。

パラメータはいずれも20を採用しています。

 

長い陽線・陰線が発生すると水色の線が敏感に反応します。黄色の線はやや水色の線がやや平均化されたラインとなり、赤い線は個々のロウソク足の大きさには反応せず、大きな流れに沿った動きに近くなる傾向があります。

 

 

次に、パラメータによる違いです。

陽線率-パターン1パラメータ違い USD/JPY 1時間足

陽線率-パターン1パラメータ違い USD/JPY 1時間足

 

上のチャートは、陽線率パターン1の、20本、50本、100本のラインです。

中期、長期のラインで大きなトレンドを見ながら、短期のラインとのゴールデンクロスやデッドクロス、低値圏、高値圏での反転などをポイントとする事ができます。

 

 

次は、マルチタイムフレーム化した陽線率です。

陽線率-マルチタイムフレーム USD/JPY 1時間足

陽線率-マルチタイムフレーム USD/JPY 1時間足

 

1時間足のチャートに、4時間足、日足のそれぞれの陽線率を描画しています。

いずれのラインも、パターン1で、パラメータは20です。

 

上記チャートに、3本の線が同じ方向に動いている場合に、その方向に矢印を付けてみました。

陽線率-マルチタイムフレーム矢印あり USD/JPY 1時間足

陽線率-マルチタイムフレーム矢印あり USD/JPY 1時間足

 

青い矢印が、3つの陽線率が上昇している場合、赤い矢印が下降している場合です。

それぞれ、買いのポイント、売のポイントとして機能しています。

 

 

ただし、上記チャートの場合は4時間足、日足のラインは当該足を参照しているため、再描画の可能性があるラインです(上の矢印は、当該足の終値時点でのラインを元にプロットされています)

 

実際に運用等に使用する場合は、確定値である直前値を使用したいため、1本前のラインを参照すべきです。

 

上のチャートを1本前のラインを当該足に表示する様に調整したのが、下記チャートです。

 

陽線率-マルチタイムフレーム(シフト=1) USD/JPY 1時間足

陽線率-マルチタイムフレーム(シフト=1) USD/JPY 1時間足

 

 

陽線率のマルチタイムフレーム対応カスタムインディケータファイル

 

上記チャートに適用している陽線率のカスタムインディケータファイルを公開しています。

下記よりダウンロードできます。

 

ファイルはこちら

→ マルチタイムフレーム 陽線率 カスタムインディケータ(MTF-YousenRitsu_OCI.ex4、YousenRitsu_OCI.ex4)

 

 

「MTF-YousenRitsu_OCI.ex4」と「YousenRitsu_OCI.ex4」二つのファイルが同枠されていますが、いずれもインディケータフォルダに格納されてください。

 

「MTF-YousenRitsu_OCI.ex4」がマルチタイム対応のカスタムインディケータとなりますが、陽線率の描画に「YousenRitsu_OCI.ex4」を参照して(iCustomで呼び出して)いるため、どちらのファイルも必要となります。

 

「MTF-YousenRitsu_OCI.ex4」の設定内容は以下の通りです。

  • Timeframe1~3 : 設定時間足
  • syu1~3 : ラインのパターン  上記パターン1~3で、パターン1→syu1~3=0、パターン2→syu1~3=1、パターン3→syu1~3=2
  • piriod1~3 : 採用本数
  • shift0: X本前のラインを描画(0で当該足のライン=再描画の可能性がある、1で直前の足=確定値)
  • yajirushi : 矢印の表示ON/OFF

※Timeframe1~3に、適用するチャートよりも短い時間足を設定すると正しく表示できません。

 

 

 


<<カスタムインディケータファイルの免責>>

必ずデモ口座等で動作を確認されてください。

当EAの使用によるいかなる損害も当方では責任を負いません。併せて当方にその責任を求める事も放棄されたものとします。

ダウンロードされる場合、ダウンロードもその使用も完全な自己責任で、そのことをご理解されているものとさせていただきます。


 

 

 

 

 

 

テクニカル指標一覧

テクニカル指標/計算式

(外部リンク)テクニカル指標(Wikipedia)