直前高値抜けでの仕掛けと手仕舞い (チャート力向上講座デイトレ編)
前項までで日足スイング編は終了となり、ここからデイトレ編の内容となります。
デイトレードにおいての売買タイミング、現在が買いか売りかスルーか、どこで手仕舞うかなどの力を学んでいただきたいと思います。
日足スイング編とは異なり、デイトレでは刻一刻と相場の状況が変わっていくため、ロウソク足の形や組合せを考えている暇がありません。
そのため、シンプルに攻めるべく、いくつかの技術にフォーカスして学んでいただきたいと思います。
デイトレ編概要
上述の通り、デイトレードではその時その時で状況が大きく変わっていきます。
そのため、ロウソク足の組み合わせや、チャートの形など、補助線を引くなどの暇がありません。
そこで、デイトレ編ではシンプルな条件のもと、5分足チャートを読み解き、その都度タイミングを計りながら仕掛け、手仕舞いを繰り返すという方法にフォーカスしています。
具体的には、下記4つの項目について各項にて掲載しています。
- 直前高値抜けでの仕掛けと手仕舞い
- 移動平均線クロスでの仕掛けと手仕舞い
- VWAP上抜けでの仕掛けと手仕舞い
- ギャップ埋め完了で仕掛けと手仕舞い
その第一弾として、この項では直前高値抜けでの仕掛けと手仕舞いについて掲載しています。
直前高値抜けでの仕掛け
直前の高値を抜けたところで仕掛け、昇ったところで手仕舞うテクニックですが、図を交えて解説します。
下図のような相場(1803清水建設)の場合、赤い太線が直前の高値となりますが、このラインを超えた場合に仕掛けるという方法です。(以下、チャートは5分足、黄線は5本移動平均、青線は25本移動平均、赤線はVWAP)

デイトレ編 高値抜け1
問題は「直前高値」の見極めと、手仕舞いを行なう場所ですが、まず「直前高値」はその名の通り直前の高値です。
チャートを見ると、既に描画されている過去のロウソク足で山や谷が見つけられるかと思います。
その大小に関わらず、2日前程度を見て、現在のレートに一番近い直前の山のてっぺんが「直前高値」となります。
そのレートを抜けたら仕掛けです。
場合によっては、直前高値のレートを抜ける足が、上髭で抜けてしまい、その後下がり始めるということもありますので、直前の高値を抜け、その足の描画が完了した時点で、上髭が抜けただけでなければ仕掛けるという具合に「だまし」を回避することも出来ます。

デイトレ編 高値抜け2
上のチャートの赤丸の部分は、直前高値を越えてはいませんが超えようとして上髭を形成した場所です。
このような状態を回避するために、直前の足が上髭ではなく本体で上抜けした場合に、次の足の始まりで仕掛けるという方法もあります。
もう少し具体的に見ていきましょう。
下のチャートは08年5月21日終了時点での1802大林組の5分足チャートです。

デイトレ編 高値抜け3
直前高値として2本のラインが引いてあります。
翌日、このラインのいずれかを抜ければ仕掛けです。
翌日のチャートを見ると(下図)、寄り付きから前日高値を抜けてきています。

デイトレ編 高値抜け4
寄り付き5分で前日高値を大きく抜ける陽線を形成しましたので、その次の足の始値で仕掛けます。

デイトレ編 高値抜け5
直前高値抜けでの手仕舞い
仕掛けたあとの手仕舞いのポイントですが、VWAPの下回り(赤線)と、MA5(5本単純移動平均線)の下回りがあります(下図青線)。

デイトレ編 高値抜け6
手仕舞いの場合は、損になっては本末転倒ですので、下回ったら即手仕舞いという考え方で良いかと思います。
デイトレですので、利益が出たらさっさと利益を確定していくというのを積み重ねたが簡単かと思います。
それと同じように、損切りも単純な一定のルールを守り通し、機械的に行なっていかなくてはなりません。
次の例は損切りの例です。

デイトレ編 高値抜け7
上の図は1812鹿島建設の08年5月19日終了後と、翌5月20日の寄り付き直後のチャートです。
寄り付き後、前日にある直前高値を陽線で抜けたので、仕掛けを行ないます。
上のチャートで仕掛けた次の足が下髭でMA5を下抜けていますので、その時点で手仕舞い。
そこで出来なくとも、その後(下図)、レートは下がり始めましたので、少なくとも仕掛けから4本あと、5本あとの足で手仕舞いとなります。

デイトレ編 高値抜け8
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