パラボリック・タイム・プライスの騙しを回避する施策、その(1)です。
今回はダマシを回避する施策として、パラボリック・タイム・プライスに、パラボリックを重ねる方法について掲載しています。
パラボリックにパラボリックを重ねても・・・と思われるかもしれませんが、パラボリック・タイム・プライスはパラメータによってガラリと表情を変える指標ですので、長期(という表現が適切がどうかは別として)のパラメータ(設定値)と短期のパラメータのパラボリックを組み合わせる事で、他の指標に頼らずダマシの回避を模索しています。
その(2)では、パラボリックのマルチタイムフレームについて掲載しています。
パラボリックの騙し回避1 複数のPTPを重ねる
パラボリックのパラメータを変えるとどうなるか?
まず、パラボリック・タイム・プライスについてですが、計算方法や指標の内容については、下記に譲ります。
パラボリックのパラメータはAF=加速因子と表現され、通常、0.02~0.2といった値が使用されます。
因みに、AF=0.02~0.2で描画したパラボリックは次のチャートの通りです。
このパラボリックの反転だけで売買を行うとなると、下記のようなダマシが多く発生してしまいます。
(赤が買い仕掛け、青が売り仕掛けの反転ポイント、ダマシと思われるものの抜粋)
これを低減し、売買のサインとするポイントをいかに絞り込むかが、パラボリックを使う上で肝心なところです。
そこで、その低減や絞り込みに、別のパラメータのパラボリックを使います。
例えば、下記のようなAF=0.005~0.02のパラボリック。
パラボリックのAF値は、初期値が小さくなると、反転時のレートまでの値幅が大きくなります(上記赤矢印)
そして、最大値が小さくなると、反応が鈍くなります。
AF値 | 小さい | 大きい |
初期値 | 初期値幅 広く | 初期値幅 狭く |
最大値 | 反応 鈍く | 反応 鋭く |
0.02~0.2の場合に比べ、0.005~0.02の場合は、始まりの距離が広く、反応も鈍いパラボリックとなります。
長いパラボリックと短いパラボリックを重ねる
パラメータの異なる二つのパラボリックを重ねて、騙しを回避します。
上で掲載した、AF=0.02~0.2とAF=0.005~0.02の二つのパラボリックを重ねます。(下図)
上図の様に二つのパラメータのパラボリックを重ね、長期のパラボリックが上昇している時(買いを示している時)に、短期のパラボリックが買い方向のサインを出す(反転する)時に買いとします。
同じ様に、売りの場合は長期のパラボリックが下降している時に、短期のパラボリックが売り方向のサインを出す時に売りとします。
上図二つのパラボリックが重なっているチャートから、上記条件で売買のポイントを抽出したのが下図となります。
上の〇の部分が条件に沿った売買のタイミングとなります。
青〇が売り、赤〇が買いです。
2種類のパラボリックでの売買
上図ではサインとしては、まずまずに思えます。
ここで終われれば、とても良い結果となったのですが、実際に仕掛けに至るのは、〇の部分ではなく、次の足に移動して反転が確定したポイントとなるため、実際の売買のタイミングは下図矢印部分となります。
最初の青〇の売りは、仕掛けの後も大きな陰線を伸ばしており、値幅を取れるポイントとなりました。
買いの方は、AとDのポイントはその後の上昇があるため、十分値幅を取れます。
Cは微妙です。
仕掛け後、少しの上昇のあと下降に向かうため、さっと小さな値幅を取るのであれば可能ですが、仕掛け値撤退で御の字というところでしょう。
BとEのポイントに関しては、外れです。
レートの上下の波のてっぺん近くで仕掛けています。
上記二つのパラメータの組合せでパラボリックを重ねた場合は、概ねこのような感じで、売買のサインとしては、単発のパラボリックを使う場合に比べかなりダマシの回避ができていますが、すべてを除去できるわけではありません。
(この辺りはどこまで追求するかという程度もあります。例えば、判断の基準を増やし過ぎても、売買そのものが少なくなってしまう可能性があります)
いずれにしても、ここでは単純にパラボリックを重ねただけですので、パラメータの調整や長期的な検証などは必要です。
ここでは、パラボリックタイムプライスを重ねる事で、ダマシを回避する事を考えてきましたが、その(2)では、複数の時間足に適用したパラボリックタイムプライスについて掲載しています。
(外部リンク)パラボリック・タイム・プライスについて(moneypartners)
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