大陽線・大陰線の出現とその後の株価の推移(1) 出現後に株価は上がるのか下がるのか?

投稿者: | 2009年5月7日



 

 

大陽線・大陰線の出現とその後の株価の推移(1)

 

■はじめに・・・

『一般的に高値圏や安値圏での大陽線・大陰線の出現はその後の株価の推移を暗示している』とか、『安値圏での大陽線の出現は大底の確認で、その後株価は上昇する』など言われることが多いが、実際のところどうなの?というところを調べてみたものです。

著者の自己満足といわれればそれまででしかありません。

また、画期的な株価予想方法やその類のノウハウを記載したものではなく、ロウソク足から大陽線・大陰線を抜き出し、その後の株価の推移を調べたデータブックです。

 

 

 

計算方法、解析方法、集計方法

 

■計算方法など・・・

 

—– 解析方法 —–

①ある銘柄の一定期間のロウソク足に対し、当日の上昇率・下降率(始値に対して終値の上昇率・下降率)が、期間の初めからその当日までのそれの平均値に一定の数値を乗じた値以上のものを大陽線・大陰線と定義。

大陽線・大陰線が出た場合、その5日後、10日後に株価が上昇しているか、下降しているかを調べる。

②大陽線が出現した場合、出現した大陽線のうち5日後の株価が上昇した割合、下降した割合を調べる。大陰線についても同様。
③大陽線・大陰線が出現した場所を、出現した日より過去15日にさかのぼり、株価が下降中か上昇中かを調べ、出現日から10日後の株価が上昇しているか下降しているか、その割合を調べる。

④ ③の場合において、その上昇率・下降率の割合を調べる。

 

 

—– 標本 —–

調べた銘柄数は東証1部及び、2部の任意の銘柄約1200銘柄。

期間は銘柄により多少異なるが、1994年8月~2005年12月。取引日は約2800日。

 

 

 

 

—– 実計算方法 —–

標本の4本値の格納されているデータベースより、エクセルにデータを書き出し、エクセル上にてロウソク足の陰陽、上昇率、下降率などを計算。マクロによりデータベース内全銘柄を計算し集計。

 

 

—– 例 —–

始値

高値

安値

終値

当日比

当日柱長

当日柱長

平均

陰陽

1891

1899

1887

1887

-4

+0.21%

+1.03%

1887

1899

1887

1887

0

+0.00%

+0.93%

1886

1886

1862

1862

-24

+1.27%

+0.96%

1862

1866

1846

1846

-16

+0.86%

+0.95%

1849

1866

1832

1866

17

+0.92%

+0.95%

1862

1862

1862

1862

0

+0.00%

+0.88%

1862

1862

1846

1846

-16

+0.86%

+0.88%

1846

1846

1833

1841

-5

+0.27%

+0.84%

1821

1842

1804

1809

-12

+0.66%

+0.83%

1779

1800

1775

1784

5

+0.28%

+0.80%

1820

1820

1804

1804

-16

+0.88%

+0.80%

1800

1821

1783

1821

21

+1.17%

+0.82%

1816

1825

1800

1821

5

+0.28%

+0.80%

1820

1820

1783

1796

-24

+1.32%

+0.82%

1787

1800

1787

1792

5

+0.28%

+0.80%

1783

1787

1779

1787

4

+0.22%

+0.77%

1792

1792

1767

1780

-12

+0.67%

+0.77%

1779

1821

1779

1821

42

+2.36%

+0.83%

1820

1820

1800

1800

-20

+1.10%

+0.84%

1800

1800

1779

1800

0

+0.00%

+0.81%

 

※ 当日比———-終値-始値(ヒゲを含まないロウソク足の長さ)
※ 当日柱長——–当日比/始値の絶対値(%)
※ 当日柱長平均—-期間のはじめからその日までの当日柱長の平均
※ 陰陽————○は陽線、●は陰線、・は同時線(始値と終値が同じ)

 

 

 

 

■結果・・・

 

まず、解析方法の①と②についてです。

 

ここでは、大陽線・大陰線の定義を当日柱長の平均の2.0倍、3.5倍、5.0倍のものをそれぞれ大陽線・大陰線と定義しました。
その日のロウソク足の柱の長さが、期間の初めからその日までのロウソク足の長さの平均の2.0倍以上のもの、3.5倍以上のもの、5.0倍以上のものと3パターンでそれぞれ上昇・下降の数(解析方法①)と陰陽線それぞれの総数に対する上昇する確率及び下降する確率(解析方法②)を計算しています。

 

 

 

大陽線・大陰線の出現から5日後、10日後の株価と比較

 

上昇・下降については大陽線・大陰線の出現から5日後、10日後の株価と比較しています。

尚、ここでは大陰陽線の出現場所を高値圏、安値圏と分類せず、出現した大陰陽線すべてに対して計算しています。

 

結果は下記の通り。

 

 

※上昇割合・下降割合はそれぞれ出現した大陽線・大陰線の総数に対して、何%が上昇し、何%が下降したかの割合です。

定義

比較

陰陽

上昇数

下降数

上昇割合

下降割合

総数

2倍

5日後

陽線

115249

174445

39.78%

60.22%

289694

陰線

178285

135304

56.85%

43.15%

313589

10日後

陽線

119924

169770

41.40%

58.60%

289694

陰線

170681

142908

54.43%

45.57%

313589

3.5倍

5日後

陽線

38656

64763

37.38%

62.62%

103419

陰線

56688

36373

60.91%

39.09%

93061

10日後

陽線

40612

62807

39.27%

60.73%

103419

陰線

54046

39015

58.08%

41.92%

93061

5倍

5日後

陽線

16302

29105

35.90%

64.10%

45407

陰線

22680

13082

63.42%

36.58%

35762

10日後

陽線

17137

28270

37.74%

62.26%

45407

陰線

21611

14151

60.43%

39.57%

35762

 

 

いずれの場合も約6割と約4割に分かれました。

更に、陰線なら上昇、陽線なら下降の方が多くなっています。大陰陽線の定義が平均の5倍になると、それよりも低い値に比べその傾向が多少強くなっています。結論として、ロウソク足の柱の長さがそれまでの平均の長さの5倍以上だと、60%の確率で陰線は上昇し、陽線は下降するということがいえます。

 

 

 


上昇・下降の比較として、5日後と10日後それぞれと比較していますが、5日後、10日後でのおおきな違いは見られませんでした。
つまり、前述の60%の確率での上昇・下降は5日~10日間は継続するといえます。

 

 

 

大陰陽線が出現+上昇中・下降中での集計結果

 

次に解析方法③についてです。

解析方法の③は大陰陽線が出現した場所が、過去15日間の株価の推移から上昇中での出現か下降中での出現かを調べ、そのそれぞれで出現から10日後に株価が上昇したか下降したかを調べました。大陰陽線の定義は平均の5倍以上としています。

 

 

上昇中か下降中かの判断については、15日前の株価に比べ、当日の15日単純移動平均線の値が高いか低いかによって判断しています。単純に15日前の終値と当日の終値を比較してもよかったのですが、その方法だと、たまたまその日の終値が過去15日間と比べて高かったという場合があるのでこの方法にしました。

 

更に、線の陰陽にかかわらず、極側の値(上昇中に出現した陰陽線の場合高値を、下降中に出現の陰陽線の場合安値)が過去15日間の4本値の中で、どのくらいの順位にあるかを調べ、それを用いて当日の株価が過去15日間の株価の位置を計算しています。

実際の計算では、過去15日間の株価に比べて、当日の株価がどのくらいの位置にあるかを6段階で計算しました。

 

さて、前置きが長くなりましたが、結果をお伝えします。

 

 

つづき

 

 

 

罫線談義一覧

(外部リンク)ロウソク足チャート(Wikipedia)

 

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