VWAP上抜けでの仕掛けと手仕舞い (チャート力向上講座デイトレ編)


2021年3月22日



VWAP上抜けでの仕掛けと手仕舞い (チャート力向上講座デイトレ編)

 

この項では、デイトレ編の4講座の3つ目、VWAP上抜けでの仕掛けと手仕舞いについて掲載しています。

前項で学んだ移動平均線との併用についても言及しています。

 

VWAPは出来高加重移動平均線と呼ばれるもので、あるレートでどれくらいの約定があったかを表す指標です。

VWAPについての詳細は割愛しています。

 

 

VWAP上抜けでの仕掛け

 

VWAPの上抜けでの仕掛けを考えます。

通常、株価はVWAPに寄る性質がありますが、その反面、VWAPを抜けると(上にも下にも)その方向に一定量動く特性があります。

その特性を利用して、VWAPを上抜けたところで仕掛ける方法ですが、VWAPは毎日の連続ではなく、寄り付きから大引けまでの連続となり、その日その日で始まりが異なります。

そのため、寄り付きでの仕掛けなどは無く、日中VWAPを基準に株価がどう動いたかを見た上で、上抜けした場合に仕掛けます。

チャート力向上講座 デイトレ編 VWAP1

デイトレ編 VWAP1

例えば、上記08/04/23~08/04/24アサヒビールのチャートをご覧下さい。

赤いラインがVWAPとなり、24日寄り付きの赤丸部分でVWAPを超えていますが、この場所は前日の終値からギャップを生じて上昇したためにVWAPが大きく動いている部分です。

この場所では、前日の終値時点のVWAPよりも、24日の始値が上昇して始まっているために、VWAPの上抜けは当然の結果となります。

このような場所ではなく、下図同期間2914日本たばこ産業(JT)のチャートの様に、日中(ザラ場)レートが動くなかでVWAPを上抜けした場所を売買ポイントとします。

チャート力向上講座 デイトレ編 VWAP2

デイトレ編 VWAP2

上のチャートの2個目(右側)の赤丸は、寄り付き直後ですが、寄り付きは前日よりもギャップを伴って上昇したものの、寄り付きから数十分後にVWAP上抜けとなっているため、売買ポイントとなります。

同じように、他の例も見てみましょう。

 

下図は3401帝人の5月2日~5月7日(ゴールデンウィークを挟んだ2日間)の5分足チャートです。

チャート力向上講座 デイトレ編 VWAP3

デイトレ編 VWAP3

赤丸で囲んだ場所が買ポイントとなります。

7日の寄り付き直後は、寄り付きからVWAP上を行ったり来たりしていたレートが上に離れたので、買いポイントと見ています。

2つ目の後場の赤丸は思いっきり上抜けした場所です。

 

VWAP上抜けとゴールデンクロスの併用

 

VWAP抜けの場合は、陽線で抜けた場合、直前にゴールデンクロスがある場合などの条件を加え、より確実な買いポイントとすることも可能です。

次の例は、上記移動平均線のゴールデンクロスや陽線抜けも含めた、4005住友化学08/05/12~08/05/13の5分足チャートです。

チャート力向上講座 デイトレ編 VWAP4

デイトレ編 VWAP4

a~dの4つのポイントを図示してみました。

いずれもVWAPの上抜けをしていますが、先述のゴールデンクロスや陽線を考慮すると、どのポイントで仕掛けるかがお分かりいただけると思います。

まず、aはゴールデンクロスの発生の直前です。

この場合、VWAP上抜けが発生した時点ではゴールデンクロスは発生していませんし、発生するかどうかもわからないのでスルー。

その後bの場所では、aの直後にクロスの発生もあり、VWAPで反発したと取ることも出来ます。仕掛けることは出来ますが、前場の終了間際ですので、昼休みを挟んでのギャップ発生の可能性を考えると、尻込みもありえます。

結果としては、後場は大きくギャップを開け始まっているので、後場の寄り付きで仕掛けるのもありです。

cの場所に関しては、直前にクロスも無く、移動平均線も下降をたどっているのでスルー、dではクロスの発生もあり、陽線で勢い良く上抜けですので買いポイントと見ます。

 

 

VWAP上抜けの損切り・手仕舞い

 

VWAP上抜けで仕掛けたポジションの損切りと手仕舞いについてです。

これまで通り、MA5を下回ったら損切り・手仕舞いで問題ないかと思います。

下図、4183三井化学08/05/12~08/05/13のチャートでは下記の様に手仕舞いできます。

チャート力向上講座 デイトレ編 VWAP5

デイトレ編 VWAP5

 

 

下図4506大日本住友製薬では損切りの例も掲載します。

チャート力向上講座 デイトレ編 VWAP6

デイトレ編 VWAP6

2回目の仕掛け後、すぐにVWAPを下回り、MA5よりもレートが下がってしまったため、損切りです。

 

 

 


次の講座:ギャップ埋め完了で仕掛けと手仕舞い

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